神様、この恋をよろしくお願いします。

「じゃあ、俺はそろそろ行くよ」

すくっと委員長が立ち上がった。

「あ、授業にはちゃんと間に合うようにね。次の授業、本郷先生だしこれ以上問題起こさないように気を付ける事!せっかくお父さんも来てくれたんだから、今後サボるなんてことは一切しない事!」

スラスラと悠に向かって息継ぎなしで一気に言い放った。腰に両手をあてて、眉をピンっと吊り上げる。

「わかった?」

「……。」

「わかった!?」

「わかってるよっ」

言い方は本当にお母さんみたいだった。

「それと…、俺だってもっと話したいと思ってるからね!悠は何も言ってくれないけど、聞きたいと思ってるんだからね!」

「…。」

「思ってるから!」

「わかったってば!しつけぇなぁ!!」

今度はにこっと委員長が笑った。

委員長も、心配してたもんね。
 
悠をわかってくれる人は悠が気付かないだけでいるんだよ。

すぐ近くに。

「じゃあ、行くから宝条さんあとよろしくね!」

「え、あ、うんっ!」

何をお願いされたかわからないけど、反射的に答えちゃった。

委員長がばいばいと手を振って体育館裏から去って行った。