助けなきゃ!

今度こそ助けなきゃ…!

絶対あたしが…っ






ダンッ、と屋上のドアを勢いよく開けた。

わざと音を立てて、こっちに注目してもらえるように。

「はぁ、はぁ…っ、はぁ…」

肩を揺らして精一杯息をする。

全力でここまで来たからか、怖くてドキドキしてるのか、どっちだかわかんないぐらい心臓がバクバクしてる。

「…なんだ、お前?」

ぞろぞろと集まってる3人のうちの1人がこっちを見た。

やっぱり何度も見たあいつらだ!

ギロッと視線が突き刺さる。

ぶるって体が震えた。

やばい、どうしよ、怖い。

だけど先輩たちに囲まれて1人キラキラの髪が揺れてるのが見えたから。

「な、何してるんですか?」

「何もしてないけど、なぁ」

「あぁ、まだな」

たぶん今答えたのがリーダー的なヤツ、いつも悠に話しかけてるのはあいつだから。
ダラダラな制服のポケットに手を突っ込んで、ポリポリと頭を掻いた。

「えっとー、君誰?」

スッと人差し指であたしを差して。

人を指さしちゃいけないって習わなかったのかな!?
今そんな冷静なこと言ってる場合じゃなけど!

「邪魔しに来たワケ?」

「…っ」

刺さるどころか突き抜けるんじゃないかってぐらい強い視線に一歩足が後ろに追い出されちゃった。

息が荒くなる。

バクバクが強くなる。

でももう逃げない…!

「やめてください…っ!!!」

勢いよく飛び込んだ…



悠のもとへ。



両手を広げて抱きしめるみたいに、ぎゅっと、しっかり離れないように。

そしたらあまりに勢い余っちゃって尻もちをつくみたいに後ろに倒れちゃった。

「やめてください!こ、ここは学校だし、いつだって先生呼べますから!」

座り込んだままぎゅーっとさらに腕に力を入れた。

先輩たちに背を向けて、殴るならあたしごとそうすればいいと思って守りたかった。

「いじめないでください…っ!」