インビジブル・ブルー

薄れゆく意識の中で、僕はレイの手を握りしめた。氷のように冷たい手だった。そして僕は、もう一方の手を空に向かって差し出した。必死で彼女の背中に手を伸ばした。彼女は微笑んでいた。側にレイが寄り添っていた。ようやく僕は確信した。レイは紛れもなく僕と彼女の娘なのだと。今頃になって確信した。

僕は大声で二人の名を呼んだ。振り向いた二人が僕に手を差し出した。僕はそれを強く握りしめた。



空には青が広がっていた。



果てしなくどこまでも続く、限りなく透明に近い青だった。






fin.