インビジブル・ブルー

僕はあらん限りの声で吠えた。

いっそこんな喉など破れてしまえばいいと思った。

カンバスをデッキに叩きつけた。

拳でパレットを殴り割った。

雷のような鋭い痛みが突き抜けた。右手が真っ赤に染まっていた。

かまわずもう一度振り上げた。

カンバスが見えた。

絵の中の三人は、青空を見上げて微笑んでいた。

僕は拳を握りしめた。

手のひらに血が滲んだ。

張り裂けそうな咆吼とともに、拳をカンバスに叩きつけようとした。



……でも、僕にはその絵を傷つけることはできなかった。

どうしても、できなかった。