インビジブル・ブルー

僕はまだ濡れたままのカンバスに手を伸ばし、嗚咽を零した。

野原に立つ三人の背中が、どうしようもなく遠くに見えた。

いくら手を伸ばしても、もうこの三人がこうして寄り添うことはできないのだ。

僕が壊した。

僕がすべてを奪ってしまった。

夢も、希望も、未来も、暖かい声も、家族の温もりも、何もかも。

それがこんなに悲しいことだとは、最後の最後まで分からなかった。こんなに苦しいことだとは知らなかった。

僕はすべてを失った。

僕には未来が待っていた。

きっと明るくて騒がしい未来が待っていたはずだった。

でも、結局それは幻となって、僕の手のひらからすり抜けてしまった。

今僕の手のひらにあるのは、レイが大事に持っていた透明の石だけだった。

僕はその石に見覚えがあった。まだ彼女が汚されるずっと前に、僕がプレゼントしたものだった。

何の変哲もないその石を空にかざし、彼女は「綺麗ね」と言って笑っていた。