【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



「ふーん、そっかそっか〜」


その笑顔は人形のように美しくて……でもやっぱりどこかつかみどころがない。


「ねえ(みなと)、一体誰に似たのかしらね」

「お前だろ」

「いやいや、どう考えてもあなたでしょ?」


女性は、目の前の男の人を“湊”と呼んだ。

ただ静かにコーヒーカップを傾けているだけなのに、圧倒的な存在感と気品を放っている。


この二人……もしかして叶兎くんの知り合いなのかな……?



「あの子が“真っ直ぐ”なんて、素敵な相手を見つけたのね」

「…そうだな」



この2人の視線の先にいるのは、間違いなく──叶兎くん。

その表情は、まるで…



「胡桃ちゃん、今度は叶兎と2人でうちへ遊びにおいで。待ってるわ」



あれ、私……名乗ってないよね。

というか、うちへ遊びにって…?どういうこと?


混乱する私を置き去りにして、二人は満足したように席を立った。


教室を出る直前、二人はもう一度振り返り、私に向かって優しく微笑んで。


その瞬間、窓から差し込む光を反射して、二人の瞳が赤く輝いた。



……!!

その、赤い瞳…!