最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「この学園、国立月魔城学園に結界を張る。」

 続けて私はその場で言い放った。

「プンハラング。」

 その瞬間、一瞬だけ空間がピンと張られた感じに陥る。

 でも、これで張れたはず。

 確認のために使い魔を飛ばしてみた。

 その時、お昼休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴った。

 も、もうそんな時間っ……!?

 私は内心焦りながら空き教室を飛び出した。



 ふぅ……な、何とか着いた。ギリギリだったけど。

 私は呼吸を整えてから二人と合流した。

「しーちゃん、どこ行ってたの~?」

 思った通りの質問が飛んでくる。

 やっぱり……と考えながら、私は笑顔を浮かべた。

「お手洗いがちょっと混んでて遅くなっちゃった。ごめんね。」

 う、嘘だけど……ごめんね、二人とも。

 私が罪悪感を感じながら謝ると、二人ともあっさりと納得した顔になって許してくれた。

「それならしょうがない。栞は悪くない。」

 疾風君がそう言ったけど、今の私にはフォローにならなかった。

 うっ、本当は自分のせいなのに……。

 多少反省しながら始業式の時のように講堂に行く。