最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 まぁ……何となく分かるんだけど。

 電話越しに理事長は一息吐いていった。

《一応、この学園全体に結界を今日限り張っておいてほしい。》

 理由は聞きたいところだけど、多分……。

《今日は入学式なのでね。》

 うん……言うと思ってました、理事長。

 私は頭の中で理解してから、口に出して了承した。

「分かりました。でも、時間がないのでもう切りますね。」

 時計を見るとあと三分で休憩時間終わっちゃうし、結界張る時間が少なくなっちゃうし。

《ありがとう。頼んだよ。》

 理事長はそう言って電話を切った。

 私は手帳をポケットに入れ直して、はぁ……と声を出さずにため息を吐いた。

 理事長、言うのが遅い……。

 でも、そんな文句も言えないから大人しく結界を張り出す。

 教室から顔を覗かせて、周りに人がいないことを確認する。

 ……人、いない。

 私は再度教室内に入って結界を張る。

 まず頭の中で学園に結界を張るイメージをつくる。

 イメージがしっかり固まったことで私はこう言い放った。