最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 今の状況を説明すると、私は疾風君のほうに椅子を向けて座っているんだけど、何故か隣の和向君と疾風君が凄く私のお弁当を凝視している、という状況。

 一体、何がどうなっているのか、全く分からない。

「……っあぁ、ごめんな栞。つい視線がそっちに……。」

 そっちって……お弁当の事かな?

 そう考えるのが妥当だな、と思ったけどどうして私のお弁当を見ていたんだろう?

 うーんと首を捻って考えてみたけど、分からなかった。

 でも、次の言葉で知る事になる。

「しーちゃんのお弁当、美味しそう~!」

 目をキラキラさせている和向君にそう言われた。

「普通だと思うけど……?」

 美味しそうって、お世辞だと思うけど嬉しかった。

 自分の料理を人に見せたことがなかったから。

「いや、絶対美味いって!」

 そうやって食い気味に言う疾風君にある一つの考えが浮かんだ。

 ……もしかして、お弁当食べたいのかな?

「これ……食べる?」

 私は食べる前に唐揚げを箸でつまんで、疾風君に聞いた。