最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 ……そっか。

「あ、ありがとう!」

 私はそう言ってもらえてほっとし、ありがたくジュースを受け取った。

「僕にはないの~?」

 隣では和向君が疾風君に近付いてねだっている。

 少し不貞腐れ気味の和向君に疾風君がため息を吐きながら、コーヒー牛乳を渡している。

 その光景に、なんだか微笑ましくなった。

「栞、何笑ってんだ?」

 疾風君が私の顔を見てそう問いかけてくる。

 ふふっ、何だか頬も緩んでるみたいだなぁ。

「何でもないよ。」

 私はそう言って微笑みながらごまかす。

 魔術師について、じゃなくて友達同士でありがちな、気持ちを隠す為に面白おかしくするごまかし方。

 ……ごまかすなら、こっちのほうがずっといい。

 私は心の中でそう思ってお弁当を開いた。

「じゃあ食べよう~!」

 結果的には和向君のその言葉が合図となって食べ始めた。

「いただきます。」

 私も箸を握って食べ始める。

 でも……一つだけ気になることがある。

「……あ、あの、どうしてそんなにこっちを見てるの……?」