最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「うん! だから自信持って!」

 和向君が満面の笑みで私に言い放った。

 ……ふふっ。

 少しだけなら……いいかな?

「悪い! 遅くなった!」

 そう思い始めたとき、疾風君が何やらいろいろと抱えて教室に入ってきた。

「疾風~、何買ったの~?」

 和向君が不思議そうに聞いている。

 私も首を傾げた。

 だって疾風君、お弁当やらジュースやらいろいろと持っているんだもの。

「あー……購買混んでたからコンビニまで行ってたんだよ。それで遅れた。……というか、先に食べといてもよかったのに。」

 疾風君はそう言いながら席に座る。

「はい、これ。」

「え?」

 いきなり私の前にオレンジジュースを差し出してきた疾風君にはてなが浮かぶ。

「……これ、くれるの?」

 ジュースを見ながら疾風君に聞く。

 疾風君は「もしかして苦手だったか?」と聞いてきた。

「そ、そうじゃなくて! ……もらっていいの?」

 確かめるようにもう一度分かりやすく聞く。

 疾風君は一瞬きょとんとした後、にかっと笑った。

「あぁ、その為に買ったんだからな!」