でも私がそこに踏み込んだらいけないような気がして口を噤んだ。
そのせいで静かになった教室。
さっきまで人は少なからずいたのに、みんな校庭や中庭に移動したみたいで教室には私と和向君だけしかいなくなってしまった。
何て言葉を繋げばいい?
そう考えた私に不意に聞こえた和向君の声。
「うん。やっぱり優しいよ、しーちゃんは。」
……私には和向君が分からない。
だって私は、和向君が言うほど優しくないから。
二人に優しくしてもらう権利なんて、私にはないよ。
二人を……騙しているんだから。
偽りの名前を使って、偽りばっかり言って……自分から蒔いている種なのに、嫌ってほしくないって思う自分がいる。
私、こんなに二人を騙しているのに……友達なんて本当は名乗る価値なんて初めからない。
本当に、心苦しいよ。
「……そうかな。」
私にはこの返答が精一杯。
肯定しても否定しても、私にはそう決める権利はないから。
それをごまかすために、また偽りの笑顔を浮かべる。
私の表情に和向君は一瞬驚いたような顔をしたけど、またいつもの笑顔に戻った。
そのせいで静かになった教室。
さっきまで人は少なからずいたのに、みんな校庭や中庭に移動したみたいで教室には私と和向君だけしかいなくなってしまった。
何て言葉を繋げばいい?
そう考えた私に不意に聞こえた和向君の声。
「うん。やっぱり優しいよ、しーちゃんは。」
……私には和向君が分からない。
だって私は、和向君が言うほど優しくないから。
二人に優しくしてもらう権利なんて、私にはないよ。
二人を……騙しているんだから。
偽りの名前を使って、偽りばっかり言って……自分から蒔いている種なのに、嫌ってほしくないって思う自分がいる。
私、こんなに二人を騙しているのに……友達なんて本当は名乗る価値なんて初めからない。
本当に、心苦しいよ。
「……そうかな。」
私にはこの返答が精一杯。
肯定しても否定しても、私にはそう決める権利はないから。
それをごまかすために、また偽りの笑顔を浮かべる。
私の表情に和向君は一瞬驚いたような顔をしたけど、またいつもの笑顔に戻った。

