最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「改めて……初めまして、神菜さん。本校の理事長の草薙浩雅(くさなぎひろまさ)です。以後、お見知りおきを。」

 紳士的な話し方に余計に緊張する。

 でも、私も挨拶しなきゃ……と思いゆっくりと口を開いた。

「こちらこそ初めまして、元宮神菜です。」

 理事長は私の正体を知っているから本名で挨拶する。

 名前を言った後にしっかりぺこりとお辞儀をした。

 その時「私は一応言っておくと、妖精族だよ。」だと驚くべき言葉が聞こえた。

 その言葉にばっと勢いよく顔を上げる。

「妖精族って、確か希少種なんですよね?」

 確認するように尋ねると、理事長は何でもないといった様子で「あぁ。」と言った。

 そ、そんな大事な事をさらっと言わないでください……!

 そう言いたかったけど、相手は理事長だったからぐっと我慢した。

 何だろう……理事長ってもしかして掴みにくい人だったりする……?

 でもそれもそのはずだと思えてしまうのが、彼が高貴な血を持つ妖精族だから。

 だから……考えるだけ無駄かもしれない。

 私はそう悟って、理事長に意識を戻した。

「まず、この学園についての説明をするよ。」