最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「だ、大丈夫だよ。」

 私には苦笑いをしてごまかすしかなかった。

「あっ、そうだ。学食行くぞ、栞。」

 え、もうそんな時間なのっ……!?

 急いで時計に目を向けるとお昼休みに入っていた。

 よく見てみれば確かに教室には人が少なくなっていた。

 みんな学食なのかな?

「……でも私、お弁当持ってるんだよね。」

「しーちゃんも? 僕もお弁当なんだ~。」

 和向君もお弁当なんだ。

 っていう事は……。

「あー、分かった! 購買行ってくるから先食べとけ!」

 そう言って疾風君は教室を出て行ってしまった。

 何だか、申し訳ない気持ちになってきちゃった……。

「しーちゃん、心配しなくてもいいよ~。疾風は食べられればなんでもいい派だからね~。」

 私の心を読んだのか、いつもの調子でそんな事を言う和向君。

 でも、本当は学食に行ったほうが良かったんじゃないかな?

 絶対そっちのほうがたくさん食べられると思うし……。

「ふふっ、しーちゃんまた考えてる~。」

「へっ?」

 か、考えてたわけじゃないけど……どうしてもそう思っちゃったんだ。