最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 う、わぁ……。

 中に足を踏み入れると、そこは別世界のように感じた。

 空気から違うから無意識に体が強張る。

 私は深呼吸をして自分を落ち着かせてから、理事長室を探した。

 校内マップを頼りにしながら、足を一生懸命動かす。

 所々に壁掛けの絵や銅像なんかが置いてあって、次元が違うと思わされた。

 なんだか心配になってきたな……。

 そんな事を思い、私は一抹の不安を抱えながら理事長室へと向かった。



 数分歩いたところでようやく“理事長室”と書かれた扉を見つけることができた。

 理事長室の文字も金文字だ……。

 扉もやけに大きいし、予算を使い間違えたんだろうか。

 本当にそう思ってしまうほど、豪華すぎる。

 ……よし。

 私は自分を落ち着かせてから、大きくノックした。

「失礼します。」

 扉を押し開けて理事長室に入る。

 その奥には威厳が漂っている男性が座っていて、にっこりと微笑んでいる。

 この人が、理事長で間違いないはず。

「初めまして、元宮神菜さん。とりあえず座ってください。」

 彼にそう促され、目の前のソファに座る。

 わっ、ふわふわだっ……。

 ふわふわソファに少し惑わされたけど、私は彼の話を聞く為にしっかり座り直した。