最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 カッターシャツを脱いだ時、私はある物に気づいた。

 あれ、また傷増えてる……。

 左腕全体に切ったような跡がついていた。

 これ……今日出たのかな?

 昨日まではこんな傷なかったから、後から出る傷なのかもしれない。

 一応、治癒魔法をかけておこう。

 その場で言葉を唱え、傷を癒す。

「スクラッチ・ヒアリング。」

 ぽうっと黄緑色の光が腕を包み込む。

 しばらくその状態で様子見していると、光が消えてなくなった。

 さっきよりも傷が薄くなっていて、他の人にばれる確率はぐっと下がったと思う。

 体育の着替えの時とか、傷があるってバレてもごまかし方が思いつかないし。

 でも、なんで傷がここについているんだろう……?

 うーんと首を傾げて考えてみる。

 最近の行動を振り返って、傷がついたと思われるであろう日を探した。

 ……あっ、この前の魔獣退治の時かな?

 確か一週間前くらいに魔獣を倒したときに、魔獣の魔力でついていたのかもしれない。

 でも、そう考えたら納得がいく。