最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 校門を出て、空を不意に見上げた。

 時間が早いから太陽は昇ったまま、朝と同じ快晴が広がっている。

 さ、流石にお昼過ぎだから太陽が眩しいっ……。

 家に着くまで、できるだけ木陰を歩いて帰る。

 大通りを抜け、桜並木を通る。

 桜の花弁が肩に数枚とまって、それを手に取ってみた。

 薄くて強く握ったらすぐに壊れちゃう。

 でも、その中にある儚さが好きなんだよね。

 ボーっとそんなことを思っていたら、いつの間にかマンションに着いていた。

 エントランスに入って、奥にあるエレベーターに乗って最上階に行く。

 音が鳴って着いた階で降りた。

 そこから数十歩歩いて、ある扉の鍵を開ける。

「ただいま。」

 小さく自分の部屋にそう言う。

 もちろん一人暮らしなので「おかえり。」なんて言ってくれる人はいない。

 少し寂しい……と昨日と同じ事を思いながら寝室に入った。

 スクールバッグを壁にかけて、制服から部屋着に着替える。

 眼鏡、カラコン、ウィッグももちろん取る。

 ウィッグは蒸れるとかゆくなるし、カラコンも好きでやってるわけじゃないから。眼鏡は邪魔以外の何物でもない。