最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 その時、私ははっとある事を思い出した。

 あっ、忘れるところだった……。

 慌ててクローゼットの中からあるものを取り出した。

 黒のロングウィッグに黒カラコン、大きな丸眼鏡。

 名付けて……変装セット!

 これをつけないと、私の居場所とかがバレて後々面倒になる……!

 それだけは避けたくて、しっかりとつける。
 
 ……うん、これで私らしさはなくなったかな。

 今、鏡に映っているのは何処からどう見ても冴えない地味子。

 まぁ、元から冴えてないけど……あはは。

 これは外に出るときは毎回してるんだ。

 最後にペンダントをバレないようにつけて、意気込んで玄関のドアを開けた。

 よし、頑張るぞ!

 ――この編入が、後々波乱を起こすなんて……今の私は知る由もなかった。