最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 俺は一旦考えるのをやめ、女にこう言う。

「これは俺のもので間違いない。」

 俺の言葉を聞いた途端、女は心の底から安堵しているような表情をしていた。

 ……っ、何だ、こいつ。

 生き物なんて、自分のことが一番可愛いと思っているに決まっている。

 それは魔族でも、人外でも、人間でも……同じだ。

 なのに、どうしてこいつは自分のことのように安堵する?

 ……訳が、分からない。

 こいつは雰囲気からしてただの人間のはず。何の力も持たない。

 俺はこの時、人間がどうしてここにいる……なんて考えなかった。

 目の前の女のことで、頭が回らなくなっていたから。

 俺はこいつの瞳を見て再度、こう思った。

 ――こいつのことが、知りたい。

 ……って、どうして俺はそんな考えを持っているんだ。

 そんな事が頭に自然と浮かんだ自分が恐ろしく思えた。

 他人になんて興味がなかったのに……何だ、この心境の変化は。

 自分の変化に、理解がついていかなくなる。

「では、失礼しました……!」