最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ～学園編入は溺愛波乱の幕開け～

　真理を確かめたくて、女にこう問いかける。

「……どこで拾った。」

　一応、警戒して尋ねる。

　自然と低い声になっているが、こっちのほうが都合がいい。

　何しろ、この声だと女だけじゃなく男も怯むからな。

　今回は……逃げられてもいいが、どうせ問い詰めるから問題ない。

　逃げるってことは俺に話しかけたのに、そんな度胸しかない事を指すと俺は思っているから。

　だが、女は少し萎縮しただけで言葉を繋ぎ始めた。

「え、っと、西棟と南棟の渡り廊下の真ん中あたりで、落ちているのを見つけました……。落とし物かと思って、職員室に届けに行くところ、だったんですけど……あなたがこのピアスと同じものをつけていたのを見つけて……もしかしてと思って……。」

　そう説明する間、視線を逸らさずにしっかりと俺のほうを見ていた女。

　その女の瞳が……嘘を吐いているとはどうしても思えなかった。

　一点の曇りもない、澄んでいる瞳。だが、どこか影を落としているように見えた。

　……ヤバい、考えだしたら止まらなくなった。