最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 探し物を始めてから、数時間が経とうとしている……が。

 それなのに、何の情報も得られていない。

 使い魔たちは魔力に戻して休ませているし、どうすればいい。

 困り果てて空を仰いだ時、声が聞こえた。

「あ、あの……。」

 何だ……? 女の、声?

 どうして今の時間帯に人の声がする……?

 下校時間は過ぎているし、生徒は立ち入り禁止なはず。

 人と関わるのが嫌いで俺は面倒だな、と思いながらも視線を声のしたほうに移した。

 ……やっぱり女か。

 俺の瞳に映ったのは地味な女だった。

 大きな丸眼鏡に腰上まである黒い髪。今時珍しい、着崩されていない制服。

 上履きをちらっと見ると、青色のラインが見えた。

 二年生、年下か……。

 女はその後すぐにはっとした表情になり、怯えたようにしながらもあるものを俺に差し出してきた。

「これ……もしかして、あなたの、ですか?」

 …………は?

 女が持っていたのは紛れもない、俺のピアスだった。

 どうして、この女が持っている……?

 それにこのピアスには……神力がかかっていて、俺以外は触れないようになっているはず……なんだが。