俺は今、探し物をしている。

 それは、いつも肌身離さずつけているピアス。

 代々神々家(みわけ)に伝えられている、神々(みわ)の象徴のようなもの。

 親父たちに絶対に失くすな、と言われていた。

 ……だが、不注意で落としてしまった。

 失くした、だなんて言えば親父、お袋、祖父や祖母、親戚、それに“あいつ”がうるさくなる事は目に見えている。

 そんな面倒事を避けるために、今探している。

 俺の力で作り出した使い魔たちに探させているが、一向に見つからない。

 何故だ、何故見つからない。

 自惚れているわけではないが、俺の“神力(しんりき)”は相当なはず。

 俺自身の力でも探しているのに……。

 だから、見つからないのがおかしかった。

 高等部と寮しか行かないし、あるとしたら学内だ。

 今日は強制登校日だったからな……。

 失くした事に気付いたのも、今日の朝だ。

 どうして、見つからないんだ……。

 俺はそんな事を思いながら、ため息を小さく吐いた。