最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 どうしてこんなところにあるんだろう?

 気になって触れてみようと手を伸ばしてみた……けれど。

「……痛っ。」

 あと数ミリのところで手に電流のようなものが流れた。

 それほど痛くはなかったけど、急な事でついびっくりしてしまう。

 魔力かな……と思ったけど、魔力のような感じがない。

 魔力よりも強い何か、がお守りとしてかけられているようで触れる事ができなかった。

 でも見て見ぬふりなんてできないし、誰かの落とし物かもしれない。

 そうだったら、落とし主が探しているかも!

 だから私は魔術でその守りを薄くしてみた。

 驚くことに、解除魔術を唱えても完全には守りが取れなかった。

 だけど、触れるようにはなっているから、ゆっくりとそれを手に取る。

 ……ピアスにしては、結構重たい気がする。

 近くで見てみるとピアスには所々に傷のようなものも見える。

 それでも綺麗だから、きっと大事に使われてきたんだろうな……と思った。

 私はピアスをそっと自分の小物入れの中に入れて、ナップサックにしまった。

 帰りに職員室に届けておこうっ。

 私はそう考えながら、西棟へと向かった。