最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 表立って紹介されているし、私を知らない人はいないとされている……らしい。

 それで国のお偉いさんから変装は必須だとずっと言われ続けている。

 ……はぁ、大変だなぁ。

 心の中で小さくため息を吐いて、私は朝食を完成させた。



 朝食と本日二度目の歯磨きと洗顔を終えて、制服に袖を通す。

 綺麗な制服だから、皺を付けないように丁寧に着ていった。

 ……わ、思ったよりも軽い。

 見た目の重厚感のせいで重たいのかな、と勝手に想像しちゃってたけれど動きやすさ重視なのか、重たくは感じずむしろ軽く感じた。

 ネクタイや靴下などの小物もすべてつけ、鏡の前に立つ。

 正直、私がこんなに高価そうな制服を着ていいのか戸惑った。

 確実に似合いはしないだろうし、ましてや魔族さんや人外さんと同じ制服を着ている事に申し訳なさを感じたから。

 魔族は特に高貴な血の人が多いって聞いた事があるから、余計に。

 ……ってダメ! こんな初日からネガティブじゃ、やっていけれなくなる……!

 私は頬をペチペチと叩いて、自分に喝を入れた。