最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 でも、流石に家からこの量を毎日持ち帰りはできないからこれでいい。

 そういえば……今日は午前中だけだったような……。

 スクールバッグの中から一枚の紙を取り出す。

 昨日、制服と一緒に入っていた学園からの案内だ。

 他の人に見られないように、ちらっと見る。

 うん、もうこれで終わりみたい。

「皆さん、気を付けて帰ってねー。」

 紙をバレないようにこっそりとしまっていると、そんな先生の声が聞こえた。

 あっ、もう終わりなんだ。

 私はスクールバッグの中身を見て、忘れ物がないか確認する。

 ……よし、ちゃんと全部ある。

 確認をして、バッグのボタンを留める。

「そうだ。栞ってどこの寮だ?」

 みんなが帰り始める中、疾風君がそう聞いてくる。

 え……? りょ、寮?

「私、寮じゃないけど……。」

 素直にそう答えると、疾風君だけでなく和向君も目を丸くした。

 わ、私何か変な事言ったかな?

 というか、寮の存在なんて初めて知ったよ……!

 理事長も創さんも教えてくれなかったし……。

 でも、疾風君がそう聞いてくるって事は……。

「二人は寮生なの?」