「そうだったのか。なかなか草薙って顔出さないから、何してんだろって思ってたんだよな。でも、そう考えると……。」

 最後のほうが小声になっていて、聞こえなかったけどやっぱり疾風君もそう思ってるんだ。

 ……創さんが姿を現すのが珍しい、って。

 もう聞いてしまったほうが良い気がする……。

 うん、絶対そのほうが良いよ! 気になるし!

 私はそうやって一人で自己完結させて、二人に聞く事にした。

「あの、校舎案内してもらっている時に女の子たちが、創さんが見えるのが珍しいって言ってたんだけど……それってどういう事?」

 どうしてそう言われているんだろう?

 そう思って、うーんと唸っていると和向君が口を開いた。

「草薙さんは理事長の息子で高等部の三年生なんだけど、校舎内での姿なんて僕も滅多に見ないくらい珍しいんだよね~。それにしーちゃんは下の名前で呼んでるけど、草薙さんは女の子が苦手だから、しーちゃんがそう呼んでたら何事!?ってなると思うよ~。」

 そ、そうなの……!?

 じゃあ私といるのも嫌なはずだったんじゃ……。

 ……あれ?

 でも理事長の口ぶりから考えると……。