最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「では行きましょうか、神菜さん。」

 創さんにそう言われて、私は理事長室の扉に向かった。

「はい。……ありがとうございました、理事長。」

 理事長にお礼を言って、私と創さんは理事長室を後にした。



 今現在、私は創さんに校舎案内をされている。

 その間にもたくさんの生徒が走り回ってるのが見えた。

 私……何にも手伝ってないから、何だか申し訳なくなるなぁ。

 というか案内されている時に気付いたけど、この学園広すぎじゃないかな……?

 高等部だけでも北棟、南棟、東棟、西棟、中央棟がある。

 中庭も何故か四つついており、裏庭、体育館、講堂がある。

 それだけでも広いのに、中等部、初等部、幼年部まであるなんて信じられない。

 でも、それ以上に不思議に思う事があった。

「草薙様よ!」

「草薙様がお見えになるなんて珍しい!」

「今日は良い事ありそう!」

 などの声が、あちこちから聞こえてきた。

 確かに、創さんは芸能人にいてもおかしくないくらいのイケメンさん。

 だけど、生徒さんたちの口ぶりから考えると……創さんは滅多に姿を見せない、と捉える事ができる。