最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

《元宮神菜殿

 このブレスレットは悪や負の力や気を察知できるものだ。

 作るのに長い年月がかかってしまい、申し訳ない。

 学園内だけではなく、学外で使用いただいても構わない。

 貴女の役に立つ事を願っている。

 政府》

 ……これに、そんな凄い力があるんだ。

 私は手に取って、恐る恐るつけてみる。

 左腕にはめてみると、私の腕の太さに合うようにひとりでに動いた。

 これ……魔力が込められてる?

 留め具のようなものがついていて、それでかっちり固定された。

 私がブレスレットをつけたのを確認して、理事長が口を開く。

「神菜さん、任務の内容を教えておくよ。」

 理事長に改めてそう言われ、一気に緊張感が漂う。

「お願いします。」

 理事長にそう返事をして次の言葉を待つ。

「任務はこの月魔城学園の高等部に漂う悪や負の気質……つまり、邪気を浄化してほしい。その為に君をこの学園に呼んだ。」

 ……これ、本来の目的じゃないよね。

 理事長の口ぶりに、ふっとそう考える。

 内容は政府からの文面と照らし合わせて考えてみると、真の目的じゃないと思う。

 理事長と政府は、何を考えているんだろう……。

 私はそんな事を思いながらも、理事長に笑顔を向けた。