《元宮神菜殿

 政府の意向により、明日から国立月魔城学園に通っていただく。

 編入手続き等はこちらで済ませてある。内容は“学園専属魔術師”としてだ。

 何卒、よろしくお願い致す。

 政府》

 世の学校の始業式が始まる前日、私の元にこんな文面が届いた。

 せ、政府の皆さん……やる事が急ですね……あはは。

 私はその文面を見て、どうしても苦笑いを抑えることができずにいた。

 一日前に来ても、早々受け入れられるものじゃないけど……。

 全ての文字に目を通してから、ある事に気付く。

 昨日来た段ボールの中身って、もしかして……。

 ある一つの可能性を確かめるために、段ボール箱を開けてみた。

 中には綺麗に包装されている真新しい制服が入れてある。

 私はそれを慎重に取り出して、制服をまじまじと見た。

 制服は紺色のブレザーにピンクのネクタイ風リボンがついている。スカートは紺色で白のラインが入っているもの。黒のローファーがセットになっていて、気品が感じられる。

 その奥には一枚の紙が置いてあって、学園からの案内だった。

 内容は急な事での謝罪と明日の始業式のプログラム。

 その内容に嘘じゃない事を再確認する。