最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 そんな不安を消すために下唇を噛み、何とか気を紛らわせる。

 そして……来栖さんのこんな言葉が私の耳に届いた。

「君たちは人間を見る機会だなんて少ないでしょ? だから……人間の限界を知らないでしょ?」

「……っ、やっぱり。」

 来栖さん……一体、何を言ってるの?

 人間の限界という言葉が聞こえた瞬間、嫌な予感は当たってしまった。

 来栖さんは面白そうに笑みを浮かべて……こう言った。

「だから、人間の柊木栞で試してみよっか。」

 ……っ、こうなる事は分かってた。

 何をしてくるかは分からない。でもこれ以上ないいじめを受けるのは……分かってしまった。

 来栖さんは私を苦しませる為なら、きっと何でもするだろう。

 私が何にも反応を示さないから、こんな事をしてくるんだろう。

 愉快犯、改めてその言葉が脳内に駆け巡る。

 でもそうさせたのは誰?

 ……そんなの、他でもない私だ。

 私が玩具としての役割を果たしていないから、ここまでするんだろう。

 だから……何も言えるはずがない。

 そんな事を考えている間にも来栖さんは指を鳴らし、私をステージへと連れて行く。