最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「くそっ……! せっかく魔獣を使って神菜を呼ぼうとしたのに!」

 そう乱暴に吐き捨て、また拳を壁に打ちつけた来栖さん。

 その時、心臓が嫌な音を立てて暴れ始めた。

 ……え? 今、私の名前言った……?

 それに、魔獣を使ったってどういう事……?

 まさか、そんな事はないだろう……けど。

 ――来栖さんが、魔獣を狂暴化させていたの?

 私を呼ぶって意味も分からないし、一体何が起こって……。

「あの捕獲員はクビにしよう。神菜を捕まえろって言ったのに、役立たずが。」

 ……私、もしかして捕まる?

 心臓がうるさく鳴って、冷や汗が流れ落ちる。

 来栖さんは苦手な人だって分かってた、けど怖いって印象はなかった。

 でも今、鮮明に分かってしまった。

 ……来栖さんが、本当は私が思っているよりも恐ろしい人だという事に。

 と、とにかく一刻も早くここから逃げないと……っ。

 私は慌てて踵を返し、その場から立ち去ろうとした……けれど。

「っ……。」

 近くのものに足をぶつけてしまって、ドンッと鈍い音が辺りに響く。