ここのところ、身体的にも精神的にもボロボロにされていて無理をしすぎたかもしれない。

　……っ、今日は帰ろうかな。

　これ以上ここにいたら本当に倒れてしまいそうで、意識が朦朧としている。

　私は何とか自分を立ち上がらせ、魔術師室に向かおうとした……けれど。

「は、ぁ……っ。」

　体に力が一向に入らず、その場に倒れこんでしまった。

　ほんとに、ダメ、かも……。

　自分の傷を治すためにも魔力を使っていたから、大分魔力量が不足している。

　これ以上魔力を減らしたら、体がもたないや……。

　それでも自分を何とか励まし、呪文を唱える。

「ヒアリング、α(アルファ)……っ。」

　即効性のあるものだから大丈夫、だと思うけど……。

　そう考えたけど、魔力量が足りていないのか何も起こる気配がない。

　……ダメ、だ。

　私はそう思い、意識を同時に手放した。

「栞！」

　意識を手放す前に、そんな声が聞こえたけど私は答える事はできなかった。



「はぁ、はぁ……っ、うっ。」

　息が荒い。呼吸がしづらい。体が重たい。