「風羽、えげつない事だけはしないでね。」

 成生にそう釘を刺され、僕はふふっと笑う。

「分かんないよ。やっちゃうかもしれないし。」

 せっかく面白い玩具を見つけたんだから、早々に開放するわけがない。

 僕はこれからの事を考えて、一人で不敵な笑みを零した。

「じゃ、代表室行くから。邪魔しないでね。」

 僕は三人にそう言って、奥にある部屋へと入っていった。

 パタンと静かにドアを閉め、あるものを手に取った。

「あー……神菜に会いたいなぁ……。」

 僕が手に取ったのは、魔術師である元宮神菜の秘蔵写真。

 それを見て、僕はいつものように感嘆の声を漏らす。

 僕は神菜のことが大好き。それは病的に愛すほど。

 一回だけしか会ったことはないのに、僕は一瞬で恋に落ちた。



 神菜と出会ったのは高等部一年生だった時。

 父さんがエルフ族の族長で命を狙われる事が多くなったとき、元宮神菜に依頼をした。

 依頼が多い彼女だから断られる可能性も視野に入れていたけど、あっさりと承諾が返ってきて父さんが喜んでいた事を今でも思い出す。