それに人間が来れば、俺ら人外はまだしも魔族は高貴な血の奴らが多かったり、プライドが高い奴らがいるから、いじめの標的になるんじゃないか?

 人外は身体能力が高いか、魔力を持たず別の力を持って生きている奴の事を指す。

 魔族は生まれつき魔力を持っている奴の事を指す。

 割合は、世界規模で見ても、人外より魔族のほうが多い傾向にある。

 それにこのクラスは人外と魔族の割合が三対七だから、本当に来たら可哀想だ。

「はーい、みんな座ってー。」

 そう言って入ってきたのは俺の兄貴だ。

 まさか、兄貴がこのクラスの担任なのか……?

 驚いて目を瞠っていると、兄貴はいつもの緩い口調で話し出した。

「新学期迎えたなー。僕は去年と引き続き2年S組の担任になった戌待柴。よろしくな~。」

 ……そういや全然気付かなかったが、このクラスのメンバー一年の頃と大して変わらない。

 だったら人付き合い楽だな、と思いぼーっとしている時だった。

「編入生がいるから紹介するな。」

 …………は?

 その言葉で俺だけじゃなく、教室内が一斉にざわつく。

「あの噂、本当だったの!?」

「人間なのかしら?」

「いや、魔族の可能性も……。」