「……り、栞?」

「……っ、はい?」

 いけない、新さんとのお話の最中だった。

 私はすぐに笑顔を取り繕い、あははと笑って見せる。

 きっとこの笑顔はぎこちないものだったと自分でも分かっている。

 でも……そうしないと、心配をかけてしまう。

 最近のいじめ、呼び出しに加えて精神的に来そうなものばかりされている気がする。

 この学園では魔力や能力を使ってはいけない……というルールはないから、魔力を使っているものもしばしばあった。

 水をかけられそうになったり、私の持ち物が人のいないところで燃え上がったり……そんなものが多くなった。

 呼び出されてフルボッコにされかけたり、急に悪口を吐き捨てられたりもした。

 それがここ最近ずっと。

 最初は気にしてなかったけど、この状況には流石にこたえてしまう。

 それに放課後の仕事もあるから、身体的にもきつい事この上ない。

「浮かない顔をしてたが……どうした? 何かあったか?」

 新さんに図星を突かれてしまい、うっと息が詰まる。

 でも……いじめをされている、だなんて言えれるはずがない。