私は元宮神菜(もとみやかんな)。どこにでもいる高校二年生。
 
 可愛い小物や本が大好きなごく普通の女の子……。
 
 と、言いたいところだけど、みんなとは少し違う。

 ……実は、私には特別な力がある。

 そのせいか時々国の本部に呼び出されたり、海外に派遣されたりしてるんだ。

 この力は生まれつきだけど、親にそういう血が流れていたわけではない。

 両親や親戚は全員純人間。

 いわゆる、突然変異って感じのもの……らしい。

 だからといって両親は私を嫌わずに私を受け入れてくれ、今まで生きてきた。

 本当は突然変異で変な力を持った子なんて、嫌なはずなのに。

 私に力があると分かったのは、生まれた時の種族判定検査の時。

 それをするのは、私の生きているこの世界に魔族や人外なるものが存在しているから。

 人間同士で生まれた子でも、何があるか分かったものじゃない。

 ……現に私のような子がいるから。

 国からの通達によると私は極めて稀な例、らしい。

 だから、いろいろと背負ってる。

 ――未来のために、って。