体力テストが始まり、適当な速さで走る。

 面倒……そんな事を思いながら、いつの間にかゴールに着いていて、はぁ……と息を吐きだした。

「和向、大丈夫か?」

 この気圧のせいで調子が悪かったが……走っても大丈夫だったのか?

「うん、しーちゃんのあのマッサージ、思ったよりも効き目あるんだね~。」

 そうやって言う和向の顔は明るく、いつもの調子だった。

「やっぱ俺もしてもらおうかな……。」

 偏頭痛に悩まされやすい和向がこんなに絶賛しているんだから、相当な効果なんだろう。

 俺もたまに気圧の変化でしんどくなる時があるから、今度栞にやってもらうか。

 そんな事を考えながら、栞を待つ為にゴールラインの近くで待っておく。

 正直……栞には失礼だと思うけど、栞が運動が得意だとはどうしても思えない。

 きっと人並みにはできるんだろうが、少し心配でもあった。

 まだクラスの奴らや他の生徒に目をつけられてるから、それも心配する要素の一つであった。

 それに……新さんから来た、意味深なメールの事が気になっている。