最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 何かこの場を凌ぐ方法は……。

「え、えっと私もその事についてはよく分からなくて、私も急に伝えられた事だから……あはは。」

 嘘を吐くしか……ない!

 咄嗟にそう言ってしまったけど、言い訳が見苦しすぎる。

 う、流石に無理あるかな……。

 そう思ったけど、二人は私の言葉に不思議そうにしながらも追及はしてこなかった。

 ふぅ……とにかく、これで良かったかな。

 息を一つ吐いて緊張をほぐす。

 ……と、安心できたのも束の間。

「じゃあ、栞は元宮神菜って知ってるか?」

「ふぇっ……!?」

 自分の名前が出てきて過剰に反応してしまう。

 ど、どうしてそこで私の名前が出てくるの!?

「あ、あんまり知らないかな……。」

 き、気まずすぎる……。

 だけど何とか言葉を探し、声に出した。

 私の返答に、二人が目を丸くして驚いた表情に変わる。

「はぁ!? 栞、元宮神菜知らないのか!?」

「もしかしてしーちゃん、あんまりテレビ見ない?」

 え、ええっと……どうしたものか。

 テレビは今日も見ました。天気予報だけだけど。

 と心の中で伝えもしない事を呟く。

「ど、どうしてそこまで驚くの?」

 というか……元宮神菜で、どうしてテレビが出てくるの……?