本当に、新さんに申し訳ない事をしちゃった……。

 勝手に眠ってしまって、その上ベッドまで借りてしまうだなんて……なんて事をしちゃったんだろう……。

 こんな夜遅くにまで付き合わせてしまって……お礼と謝罪の気持ちが渦巻いて複雑化してきた。

「あの、新さん……。」

 何か言わなきゃ、と思い慌てて口を開く。

「どうした?」

 隣にいる新さんは不思議そうに私を見て、そう問いかけてくれる。

 いつもの優しい声色で安心するけど、私には言わなきゃならないことがある。

「あの、しつこいって思われるかも、なんですけど……本当にありがとうございました。それと、迷惑かけちゃってごめんなさい……。」

 くどいって思われるかもしれないけど、お礼と謝罪は大事なものだから言っておかないと人としてダメだと思う。

 でも、こんなにしつこかったらうざったいって思われるかも……。

 だけどそんな心配は、新さんの言葉でどこかに飛んで行ってしまった。

「栞が謝る事じゃないって言っただろ? これは俺が勝手にした事だから、気にしなくていい。……だが、気にしてくれてありがとな。」