それに……守りたい、愛おしい、と考えてしまっていた。

 これはきっと――俺は栞のことが恋愛感情として好きだいう事、だろう。

 無邪気に笑って話しかけてくる、俺のことを顔と地位だけで見てこない、そんな栞のことが……好きだ。

 その気持ちを知ってしまった以上、気持ちは止められそうにない。

 栞、俺はお前が好きだ。

 何があっても絶対に守る。栞しか見ない、というか見えていない。

 ……絶対に、俺のこと好きにさせてみせるから。

 だから覚悟して待ってろよ、栞。

 俺はそっと栞の頬に手を添え、静かに撫でた。



「んぅー……、へっ?」

「栞、起きたか。」

 一時間が経った頃、栞がゆっくりと起きだした事に気付きそう声を掛ける。

 栞は今の状況を理解できていないようで、瞬きを繰り返して辺りを見回している。

 その仕草すらも可愛すぎて、俺の心臓がもちそうにない。

「あ、あの……この状況は……?」

 まだ理解しきれてない様子で俺にそう聞いてくる栞に、悪いと思いながら答える。

「栞が寝てしまったから、一旦俺の家に連れてきたんだ。勝手な事して悪かった。」