俺は栞の家も知らないし、このままここにいさせるわけにも……。

　そこまで考えてから、俺はある事を思いついた。

　……だが、流石に栞の許可なしにそんな事はできるはずがない。

　一度は否定して別の案を考えようとまた頭を働かせたが、結局良い案は思いつかず栞に申し訳ないと思いながらも、俺はそこで神力のテレポートを使った。



　無事に目的の場所について、ひとまず安堵する。

　幸い、今日は翔葉がいなくてそこにも安心した。

　翔葉にこんな可愛い栞を見せるわけにはいかないからな……。

　テレポートしたのが寮の俺の部屋のリビングだった為自分の部屋の扉を開け、栞をベッドの上に静かに下ろす。

「んぅ……。」

　起こしてしまったか？と思ったが、栞は少し身をよじっただけですぐにまた眠りについた。

　そんな姿を見て、また言葉が漏れる。

「可愛すぎだろ……。」

　はぁ……と息を吐き、高鳴る鼓動を押さえ落ち着かせる。

　……どうしてこんなに、栞のことが気になるのか分かった気がした。

　栞の姿を見るだけで心臓の鼓動が早くなり、可愛いという単語で頭が埋め尽くされる。