編入してからちょうど一週間ほど経った時、私はある事に気付いた。

「テスト……？」

「あぁ、新学期になって二週間経った頃にいつも定期考査と体力テストが行われる。それも同じ期間に、だ。本当勘弁してほしい……。」

　そう言いながら項垂れている疾風君。

　だけど、私は少しわくわくしていた。

「しーちゃん、なんだか嬉しそうだね～。」

　はっ……楽しみすぎて浮かれてた……。

　顔に出てしまっていたのか和向君にそう言われて、はっと我に返る。

　でも、楽しみなものは仕方がない。

　今までそんな行事らしい行事に参加したことが少なかったから……わくわくしているんだ。

　そんな私を見て、疾風君は驚いたように目を見開かせた。

「栞……まさかとは思うが、このテスト期間楽しみなのか……？」

「え？　うん、すっごく楽しみだよっ！」

　私にとっては新鮮で、落ち着いてできるなんてもうないかもしれない。

　疾風君は私の回答に信じられないといった様子で、もっと目を見開かせた。

「マジか……。」

　う、うーん……何だか複雑な気分だ……。