最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

『二人がいたらまずいのか?』

 その言い回しだと、まるでこの二人に聞かれたくないような言い方だったが。

 俺の言葉に翔葉は歯切れの悪い言葉で返してきた。

《まぁ、な。ちょっと複雑なんだよな、柊木栞のプロフィール。》

 複雑?

 それが何を指しているかは分からないが、話は聞いたほうが良いだろう。

 俺は一旦スマホを耳から離し、疾風と和向に伝えた。

『面倒な事に付き合わせて悪かったな。下校時刻もとっくに過ぎてるから気を付けて帰れよ。』

『面倒なんて……そんなわけないじゃないですか! 新さんの呼び出しならどこでも駆けつけますから!』

『そうですよ~! 新さんのお願いなんて滅多にないんですから、僕たちとっても光栄で……また何かあったら言ってくださいね~!』

 二人はそう言って笑顔を見せながら扉から出て行った。

 面倒じゃない……一見嘘っぽく聞こえるが、あいつらの言葉は嘘じゃない。

 第一、“幹部”の言っている事を嘘だとは思わない。

 ……まぁ、嘘を言ったら俺にはすぐ分かるが。