最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 まるで誰かから聞いたような言い方……。

 ……って、今はそんな呑気な事考えてる場合じゃない!

 この状況をどう切り抜ければいいか考えながら拙い言葉で話し出す。

「え、っと、元宮神菜が有名な魔術師なのは知っています。でも名前だけしか知らなくて……。」

 流石に無知すぎるのは逆に怪しまれそうだから、一般知識を交えてそう言う。

 新さんは少し思案する素振りを見せてから口を開いた。

「そうか、変な事聞いて悪かったな。」

 別に変な事ではない、けどどうにか切り抜けられてよかった……。

「いえ……大丈夫です。」

 首を小さく左右に振って新さんに笑ってみせると、何故か一瞬だけ新さんの動きが止まった気がした。

 ……ん? どうしたんだろう?

「あ、新さん……?」

 名前を呼んで手をひらひらさせると、新さんは申し訳なさそうに私を見てきた。

「……悪い、少しぼーっとしてた。」

 ぼーっとしてたって……何だか、新さんがちょっとだけ可愛く見えた気がした。

 失礼なのは承知なんだけど、こう素直に謝られるとそう思ってしまう。