最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 でも、私にはそこに踏み込む勇気はなく結局聞けずじまいだった。

「和向、今日俺ら呼び出されてる。」

 突然聞こえたその声に反射的に振り返る。

 疾風君がスマホの画面を見ながら和向君にそう言っていた。

 呼び出し……? 何の……?

 私はさっきの事も相まって、頭の中がパンクしそうな勢いだった。

「うん。僕にも来たよ~。」

 和向君も何のことかわかっているようで、私の疑問は増すばかり。

「ごめんねしーちゃん、今日一緒に帰れそうにないんだ~。」

「……っそ、そうなんだ……。」

 ぼんやりと考えてしまっていたせいで反応が遅れる。

 私は和向君にぎこちない返事を返し、二人の背中を見送った。

「栞、また明日。」

「ばいばーい!」

「ば、バイバイ……。」

 私も同じものを返し、仕事に向かった。



「……あれ、もう終わったんだ。」

 仕事の時も考え事をしてしまって、気付いた時にはもう終わっていた。

 学食での件と言い、呼び出しの件と言い……よく分からなくなってきちゃった。

 私は空を仰ぐようにして、ゆっくりと空中を見上げる。