最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 それも……高度な魔力で。

 きっと、理事長辺りが何かしらしているんだと思うけど……。

「理事長が消しているんだよ。業務中との事で。」

 やっぱり理事長がしているんだ……。

 でも先生全員の種族を隠すなんて……やっぱり、流石としか言いようがない。

「さぁ、着いたよ。」

 先生の声で顔を上げる。

 そこには“2-S”と書かれた表札のぶら下がった教室があった。

「僕が呼んだら入ってきてね。」

 先生はそう言って、にっこりと笑顔を残して教室内に入っていった。

 ……もう一回、確認しておこう。

 私が魔術師の元宮神菜とバレてはダメ。

 これが絶対なんだよね。

 後は……魔術師である事を隠すなら日頃で魔力は使わないほうが良いはず。

 そうなれば、魔力の加減をきちんとしなきゃいけない。

 普通の人間が魔力を持ってるなんて勘付かれたら、それはイコール魔術師だって事になってしまう。

 それだけは、何としても避けなければいけない。

「柊木さん、入ってきて。」

 考えを固めていたところに先生の声が飛んできて、急いで教室内に入る。

 歩いている途中、「うわ、地味じゃん。」や「どうして人間がっ!」なんて声が聞こえてきた。