最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 柴先生はなんていうか……先生らしさがなくどちらかというと好青年みたい。

 多分だけど、女の子には人気なんだろうなぁ。

「柊木栞です。これからよろしくお願いします。」

 私はそう言って先生に軽く頭を下げ、会釈した。
 
「じゃあ、行こうか。」
 
 先生の言葉に「はい。」と返して、先生の後を追った。



 長い廊下を歩いている途中、私はある事を柴先生に聞いてみた。

「先生は獣の犬族ですよね?」

 種族の事を聞くのは別にご法度でも何でもないから、気になって聞いてみた。

 先生は目を見開いた後、「あぁ、そうだよ。」と言った。

 やっぱり……。

 先生からはなんとなく、獣族特有の匂いがした。

 獣臭いってわけじゃなくて、言い表しにくいけど……そんな匂いがしたんだ。

 犬族なのは、勘で言ったんだけど……。

 でも、そうだったら……。

「耳とか尻尾ってどうやって消しているんですか?」

 尻尾はまだしも本来見えているはずの耳が見えない。

 なら、消しているとしか思えない。

 それに職員室に入った時、他の先生も種族を隠すように消されていた。