それは唐突かつ急だった。

「これって……?」

 隣にいる和向君が、ぎこちなく顔を引きつらせている。

「今時、こんな事する奴いるんだな。しょうもない。」

 疾風君も呆れたようにため息を吐いてそう言っている。

 この状況を簡単に説明すると……私の机の上にはたくさんの言葉が書かれていて、その全てが悪口の類だった。

 これって……何だろう?

 その現状に気付いたのは数十分前。



 今日も一人で登校して教室に入る。

 自分の席について必要なものを準備しようとした時に気付いた。

「何……これ?」

 唐突な事で理解するのに時間がかかったけど、しばらくしてから和向君と疾風君も入ってきた。

「おはよう! 栞……って何だこれ!?」

「うわぁ……流石にこれは引くよ……。」

 二人もびっくりしているようで、少しの間私の机をじっと見ていた。

 ……それで今に至る、という事。

「二人とも……これって、何なの?」

 こんな体験は初めてだから、二人に説明を求める。

 ど、どうすればいいか分からないっ……。

 疾風君は私の言葉に目を見開いてから、丁寧に説明してくれた。