最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

「……。」

 新さんは挨拶を返してくれないけど、その代わりに自分の隣をポンポンと叩いた。

 ど、どういう事だろう……?

 意味が分からず、首を傾げると新さんが唇を動かした。

「ここに座れ。」

 何を言われるか分からなかったから身構えたけど、思いの外優しい声が聞こえて拍子抜けしてしまう。

 それに、座れって……。

「いえ、私すぐ出ていきますから良いですよ?」

 もしかして気を遣ってくれたのかな、と思いつつ正直な事を言った。

 ここに長居するつもりはないし、多分新さんも私と居たらせっかくの時間を邪魔してしまう。

 私はそう思って断ったけど、新さんが怪訝な顔をしてこう言った。

「いいから、座れ。」

 断固として譲らないような声色に、しばらく考えた後返事をした。

「わ、分かりました……。」

 お、押しが強いっ……。

 きっとこれ以上言っても聞いてくれなさそうだったから、私は大人しく従う事にした。

 私がベンチに腰を下ろすと、新さんは言葉をゆっくりと紡ぎだした。

「なぁ……栞って、呼んでいいか?」

 突然の言葉に反応が遅れる。