最強さんは魔術少女を溺愛したい。① ~学園編入は溺愛波乱の幕開け~

 周りに人がいないことを確認してから小さく呪文を唱える。

 流石に箱まで出したら人に見つかった時、迷惑だからね。

 だけど、唱えても少ししか消えなかった。

 ……だったら。

「ケンファインα(アルファ)。」

 自分を落ち着かせ、再度そう言う。

 ケンファインの強化型呪文。魔力の消費が大きいからあまり使いたくないけど、箱が出せないんだったら致し方ない。

 私は使いながら一人で頷いて、浄化した。

 ちょっとしぶとかったけど、無事に浄化できて胸を撫で下ろす。

 とりあえずは……これでいいよね?

 私は少し様子を見てから、大丈夫だと判断して西棟に入った。



 中央棟に向かう途中、私は昨日新さんがいた中庭に視線を動かす。

「……あっ。」

 そこには、ベンチにもたれて座っている新さんの姿があった。

 新さん、中庭好きなのかな?

 そう思いながらも、とりあえず中庭の扉を開ける。

 足を踏み入れると、新さんが気付いたようで私のほうに視線を向けた。

「こ、こんにちは。」

 言葉を発さないのは失礼だと思ったから、ひとまず挨拶をする。